カズダンスより忘れられないもの

ワールドカップ2026。

日本はブラジルに2対1で敗れました。

負けはしたけど、
ワールドカップの本気のブラジル相手に
ここまで戦えるなんて。

昔の日本代表を知っている僕からすると、
本当にすごい時代になったなと思います。

今の若い人は信じられないかもしれませんが
昔は韓国に負けることも珍しくなかったんです。

そんな時代。

今から29年前、
僕は初めてサッカーを生で観戦しました。

クラスメイトから声を掛けられたんです。

「ヴェルディ対マリノスのチケットあるんだけど、
 2000円引きにするから行かない?」

え?

こんな田舎にカズが来るの?

「カズだけじゃないよ。川口能活とか井原、
 前園、ラモスも来るかも。」

マジで!?

当時のヴェルディとマリノスは
Jリーグを代表する人気クラブ。

そして三浦知良は、そのJリーグの顔みたいな存在でした。

もちろん返事は一つ。

「行く!」

試合の日は真夏。

ナイターだけど蒸し暑かったあの日、
僕はまずカズを探しました。

「あ、いた!」

カズはチームメイトと一緒にダッシュを繰り返していました。

しばらくすると練習が終わり、
選手たちは次々とロッカールームへ戻っていきます。

でも、一人だけ残っている選手がいました。

まだ走ってる。

最後まで黙々とダッシュを続けていた。

それがカズでした。

「あんなスター選手なのに、最後まで走るんだ…」

その姿が今でも忘れられません。

試合が始まると、
今度は別のことに驚きました。

「しっかりディフェンスしろ!!!」

川口能活の声がスタジアム中に響くんです。

テレビでは選手の声なんてほとんど聞こえません。

でも実際の試合では、
90分間ずっと味方同士で声を掛け合っていました。

それも初めて知った世界でした。

試合はマリノスが優勢。

スタンドからは、

「おい!カズ何やってんだ!」

そんなヤジも飛んでいました。

でもカズは気にする様子もなく、
最後までボールを追い続けていました。

泥臭く。

ひたすら走っていました。

僕の中の三浦知良は、
ゴールを決めてカズダンスを踊る華やかなスターでした。

でも、生で見たカズは違いました。

一番印象に残ったのはゴールでもなく、
カズダンスでもなく、

誰よりも最後まで走る姿でした。

華やかに見える人ほど、
見えないところで努力している。

29年前のあの日、
僕はそれをカズから教えてもらった気がします。

あなたは、生で見て印象が変わった有名人はいますか?

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