個人戦はダメだったけど、
なんとか団体戦のメンバーに入れた僕は、
中学最後の県大会に向かいました。
少し離れた場所が会場だったので、
県大会なのにまさかの宿泊。
正直、「ラッキー」と思っていました。
県大会当日の朝、
体育館に入った瞬間に空気が違いました。
周りの選手たちのレベルが高い。
「これ、ヤバいかも」
隣の芝は青く見えるとは言うけど、
それでも市の大会とは明らかに違う雰囲気に、
ドキドキしていたのを覚えています。
初戦は勝ったと思います。
もう昔すぎて記憶が曖昧だけど、たぶん。
そして次の相手がT中。
あまり馴染みのない学校だったけど、
見た瞬間に「強そうだな」と感じました。
理由は単純で、全員ハチマキをしていたから。
高校総体とかでもそうだけど、
ハチマキしてるチームって強いイメージがある。
「うわ…ハチマキしとる…」
それだけで、緊張が一段上がりました。
うちにはエースが2人いました。
P君とE君。(K君もかなり強かった)
その2人がいれば大丈夫だろうと思っていました。
でも、E君が負けた。
「え?E君が負けるの?」
一気に空気が変わりました。
僕はダブルスで出場。
あの時の緊張は、今でも覚えています。
ペアの子の「サッ!」という声が、
いつもより少し震えている気がしました。
卓球のダブルスは、
テニスと違って必ず交互に打たないといけない。
だから位置取りが悪いと、
ボールに触ることすらできない。
とにかく難しかった。
試合は、1セットは取れたけど、2-1で負け。
そしてチームとしては3-1で敗戦。
僕らの県大会は終わりました。
試合後、キャプテンが言いました。
「ごめん。俺が勝ってたら絶対いけてた」
副キャプテンは出番がなかったのに、
「みんなよくやったよ」
と声をかけてくれた。
E君も、
「俺が勝たなきゃダメだった。ごめん」
ペアの子も、
「ダブルスが取らなきゃダメだった。ごめん」
みんな、自分のせいだと言っていた。
でも、僕は何も言えなかった。
みんなは「勝つため」に戦っていた。
でも僕は違った。
「負けたらどうしよう」
その気持ちの方が、ずっと強かった。
そんな状態で、県大会で勝てるわけがない。
負けたことよりも、
自分の心構えの低さに言葉が出なかった。
しかも僕は、団体メンバーの中で
特別上手いわけでもない。
自分のプレーが負けの一因になっていた可能性は、
十分にあったと思う。
それでも、誰も僕を責める人はいなかった。
だから余計に、きつかった。
ごめん、みんな。
あの時、「負けたらどうしよう」じゃなくて、
「勝つ」ことだけを考えていればよかった。
そんなこと、今さら言っても遅いけど。
必死で戦って、悔しがっていたみんなと、
同じ場所に立てていなかった自分が情けなかった。
涙すら出なかった。
あの時、もし本気で「勝つ」ことだけを考えていたら、
あの試合、結果は変わっていたのかな。
ごめんね、みんな。

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